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2013年1月22日 (火)

関雅樹のギター~日英パブ考

イギリスに行った時の楽しみのひとつに「パブ巡礼」がある。といっても決して大ゲサなものではではなく、地元で地元の人たちに囲まれて地元のエールをグビっと流し込むだけだ。

しかし、これが場所場所でいろんなお店やエールがあってとても楽しい。たいていは1パイント(pint:568ml)単位で注文するので、ま、そうたくさん飲めるワケでもないんだけどね。お腹が張っちゃうし、トイレから離れられなくなっちゃう。2杯までが無難においしい、というところだろう。

イギリスの連中に訊けば、もともとこのパブなるものは、もともと狭い家に友達を連れてくることができないので、仕事帰りに仲間と「チョイとイッパイ引っかけよう」というものらしい。さらに、街が運営している、なんだっけな…「ナントカクラブ」っていうのがあって、仲間が集まってパブよりも安く飲める施設もある。

ロンドンの中心部などでは、昼間っから満員のパブも珍しくないが、夕方になるとものすごい混雑となる。客のほとんどが男性だ。男女のカップルも珍しくはない。地方に行けば女性だけで来ているケースもよく見かけるが(Mom's night outってヤツかな?)、女性ひとりっていうのはほとんど見たことないような気がするな…。

で、パブでビールだけを1杯飲んで家に帰って家族と食事をする。ドップリ飲む人もいるが、たいていはサラリとうがい程度にしておく。すると500円もかからないで上等なエールが飲めて、仕事場で溜めた一日のウサを友達と晴らすことができるという仕組みだ。晩酌する人はあまりいないように聞く。

いいシステムなんだけど、通勤時間のことなんかを考えると日本じゃムリだろうね。

連中は1パイントのエールを1時間ぐらいかけてチビチビ飲む。でも、元々キンキンに冷えているものでもないから、さめてもそう味は変わらないし、炭酸の状態もひどくはならない。私はグビっといっちゃうけどね。

そして、週末となると生バンドが入る店がたくさんある。このパブでの生演奏というのもイギリスの音楽文化のひとつではなかろうか。

1966年頃に発売された1974や1958というコンボはパブの演奏を考慮して設計されたということを聴いたことがあるし、実際「パブ・ロック」なんて言葉もあるぐらいだからね。

山本恭司さんはロンドン在住時代、スティーブ・マリオットがパブで演奏しているのを観たとおっしゃっていたが、実にうらやましい。

もちろんこんなケースは特別で、普通は地元のバンド、いわゆるハコバンが登場して、みんながよく知っている名曲を無難にお送りする。お客さんはみんな英語がウマいから当然合唱となる。乗れば踊る。演奏している方も実に楽しそうだ。音楽とともに週末の夜を楽しむ。これがイギリスのパブだ。

そういう光景を目の当たりにするたびに、欧米の人は本当に音楽と生活していることを感じる。楽しみ方を知っているっていえばいいのかな?すべての行動に音楽が絡んでいるっていうのかな?

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今日は都内のパブからお送りする。アイリッシュ・パブの老舗で、しょっちゅうライブをやっている本格派だ。
出演はMackie's Band。

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ギターは関雅樹。以前のブログにも登場してもらっている森園勝敏のお弟子さんだ。といっても、関ちゃんは完全にジャズ畑の人で、森さんとはスタイルが全く違う。

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関ちゃんは車に乗りながらいつも『Nefertiti』とか『Miles Smiles』なんかを聴いているタイプの人だが、こうしてロック系の仕事もさかんにこなしている。また、「Arm Up Guitar School」というギター教室を開講しており、たくさんの生徒さんを抱えている。氏はアンプなどのメンテナンスも得意なので、このスクールに行けば機材の知識も身につくというワケだ。

この日は恵比寿のアイリッシュ・パブでの演奏だ。

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普段は思い切りのいい、アグレッシブにしてスペイシーなギターを弾いているが、まさかこんな場でそんなギターは弾けまい。

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ソロにバッキングに、ボーカルのマッキーさんを完璧にサポートするギター・プレイに徹する。

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アンプはすべてマーシャル。愛用の1987Xのコンボ、2187Xをメインに2204(白)曲によって使い分けている。

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関ちゃんはマーシャルをよく「振り幅の大きなアンプ」と形容する。つまり、ギンギンのハード・ロックやメタルの用途だけでなく、使い方によってはどんな音楽にもマッチするということ。すなわちマーシャル・クリーンの信奉者だ。

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mackie(マッキー)こと川上真樹

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ベースはのまぐちひろし

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ドラムは八木一美
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レパートリーは主にアメリカン・ロック。イーグルスとかそういうのね。

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元来、外国の方の来客が多い店なので、こうしたライブが盛り上がる。しかも、この日はマッキーさんの誕生祝いということもあって、盛り上がりようはいつもより激しかった。

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休憩時間にパチリ。

日本も気軽にイッパイできて、いい演奏が聞けるようなパブ文化が浸透するといいね。

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関雅樹やArm Up Guitar Schoolの詳しい情報はコチラ⇒Seki's Web
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(一部敬称略 2012年10月12日 恵比寿What The Dickens!にて撮影)