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2013年2月 4日 (月)

【NAMM2013レポート】Sunday~最終日

順序が後先になったが今回のマーシャル・スタッフのユニフォームを紹介する。スラッシュ・シグネチャー・コンボの発表ということもあって前身頃にはスラッシュのロゴ・サインとスタッフの愛称(ディミニュティブ:アンソニー→トニーとかローレンス→ラリーとかね)かニック・ネームが刺繍されている。

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袖にはマーシャル・スクリプト・ロゴとジム・マーシャルのオートグラフ。

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背中はゴシック調のフォントで「Father of Loud RIP」とジムのポートレイトがあしらってある。

これを着て街へ出た時、ジムを知らない人はこれを見てどう思うんだろうかね?「ああ、この人、よっぽどおじいちゃんのことが好きだったのね~」って?

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さて、手前ミソながらやっぱり人気のマーシャル・ウォール!毎日毎日、引きも切らず大勢の来訪者が壁の前で記念撮影をしていく。みんな「お、マーシャル!」なんて言って必ず足を止めていくのだ。

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となりのブースからSamantha!

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そしてChad!

マーシャルがあるだけでみんなすぐに仲良くなれる。マーシャルは世界の共通語なのさ!みんなロックが好きだから。何回も書くけどこの黒い箱の中には夢が詰め込まれている。

そして、ただ並べているだけでこれだけたくさんの人をよろこばせてあげられるなんて、マーシャル冥利に尽きるね。やっぱり人類にはマーシャルの壁が必要なんだ!

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さて、最終日のケリーさん。
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昨日のトリプル・ヘッダーの疲れをおくびにも出さず今日もフル・スロットルだ。

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最終日は2回の登板。

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最終日とあって気合も入りまくり、ここまでの6回の演奏の集大成のような熱演だった。
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世界から集まった人々を相手にした久しぶりのアメリカでの演奏に燃えまくったケリーさん。こういうのを快演というのだろうな…脇目もふらず何かに向かって猛烈に突進する姿は美しい。
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4日間の演奏を無事に演奏し終わり、「日本にケリーあり!」を十分に主張したケリーさんだった。さすがにちょっとお疲れの様子であったが、もうきっと次のステップのことを考え始めていたに違いない。

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

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ところで、マーブロにはなるべく食べ物のこと等、音楽や楽器にに関すること以外は書かないようにしているのだが、これはチョット書いておきたい!

こういう機会で海外へ来ると、昼食をスキップしたり、せざるを得ないことが多い。理由は時差ボケで空腹になるサイクルが狂ってしまうこと。それから忙しさ。ミーティング等で昼食を摂る時間を逃してしまうことも多い。

でも、最大の原因は食べたいものが何もない…ハンバーガー、ピザ、サンドイッチ等々、こういうところの食べ物にウンザリしてしまう…というのが一番の理由だ…。

それに、何かも高い!何しろ500mlよりちょっと大きいPETボトルの水が$3もするんけんね。驚くわ。しかも、会場内は乾燥していてひどくノドが乾く。ノドが乾くたびに$3も払っていたら身上つぶれてしまうがな!あれほど物価の高いロンドンより金がかかる。

で、どうするかというと、PETボトルの水を最初は一本買って、中身を飲み終わったら水道の水(給水機がある)をリフィルするのだ。ロサンゼルスの水は何というか、味の素が入っているような、すごく人工的な味がして、飲み終わった後に何かイヤなものが舌に残る感じがする。東京の水もかなりひどいのでそう苦にはならんがね。

イギリス人にロンドンの水とどっちがマシか尋ねてみると、「ほぼ同じ」という答えだった。水の話しをカナダ人にしてみると、「どこもかしこもマズイ。一番おいしい水はカナダさ!」だって。

さて、この最終日、時間が空いた3時頃、猛烈な空腹感を覚え、何か食べる決心をした。それに今晩はブースの片づけをしなければならないので、とにかく何かをハラに入れておかないとマズイ。しかし、食べたいものがない…、ハンバーガーにするか、ターキー・サンドイッチにするか…どれも食べたくないナァ~。もうウンザリだ…。

と逡巡していたら発見!「アッレ~?こんなのあったんだ!?」と快哉の声を上げたのが下の写真のヤツ。チャーハンに焼きそば、それに鶏を甘辛く煮たのが乗っかってる。

値段を見ると$11もするけど、もう我慢できない!さっそく列に並んでレジに進む。なにせハラ減ってるからね~。すると、チンタラやってるんだな、レジが…。どうしてこういうところでコーラ1杯買うのにクレジット・カード使うんだよ~!通信の速度が遅いらしく、一人当たり5分ぐらいかかってる。イヤ、さすがに後ろの奴らもブーブー文句を言ってる。

「オレのチャーハンが冷めちゃうじゃねーかよー!」と心の中で悲鳴をあげつつひたすら待つ。そして支払い。ちょうどテーブルも空いて後はただ食べるだけ。うれしいなったら、うれしいな!食うぞ~!

そして、食べてみる。

絶句…。

ナンダコレハ?

ともすれば悲鳴をあげてしまうところだった。殺人的にマズイのである。空腹と期待感が頭の中で勝手にこの食べ物の味付けをしていたのだろう…あまりの落差と驚きにイヤ、もはやこれは感動の域に達していたかもしれないゾ。

次に思ったのは「一体どうしてこういうものを作ってしまうのだろう?」ということ。「わからないなら誰かに訊けよ!」と怒鳴りたくなってくる。まわりの西洋人はペロリと平らげていたが、ちょっと私はムリ。ひと通り上に乗ってる鶏肉を食べて(これは観念しさえすればそう悪くない)おしまい。いっぺんに食欲が失せてしまったのだ。

間違いなく日本人は、三食世界で一番おいしいものを食べているに違いない。朝は焼き魚、卵、のり、納豆、味噌汁…。昼はバラエティに富んだ各種定食。夜は鍋にすき焼き、お好み焼き…。
西洋人は質素だよ~。朝はシリアル、かなりよくてトーストにハムエッグ、昼はサンドイッチ、ポテチ、りんごかバナナ、夜は冷凍食品をチンして終わり…。

食べ物に関しては本当に日本人でよかった!

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最終日はD_Driveが3回登板した。

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D_Driveもトッコトン気合を入れた演奏で8回のデモンストレーションをこなした。

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この日もデカい黒人のおじちゃんが音量測量機を手にしてジッと様子を見ている。あ~、そしてとうとう…。ブース内に入って来てYukiちゃんの前に立ち、「音を下げて!」のジェスチャー。ハイ、わかりましたとちゃんと音量を下げて演奏続行。ベースなんかスゴイ小さくしたんだけど、実によく聞こえる。スゴイ音抜けだ。

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各デモでは惜しげもなくD_Driveの代表曲が繰り出された。オープニングは常に「Cassis Orange」。この曲は非常に日本人っぽいメロディを持っていると日頃から思っていたし、それがD_Driveっぽい部分でもあると思っていた。ようするにツカミはバッチリということだ。

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他にも「M16」、「Hyper Driving High」、「Screw Driver」、「Lost Block」、「Russian Roulette」等の代表曲が毎回演奏された。

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派手なプレイで存在感を十分に示したShimataro。D_Driveの魅力はギターだけではないことを証明してみせた。

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ちょっとかわいそうだったChiikoちゃん。でも実はD_Drive、前の日の晩に地元のライブハウスに出演したんだって!もちろんドラムもOK。きっともんのすごいドラミングだったんだろうね。見たかった!

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デモの合間を縫ってマーシャルのブースを訪れる。ちょうどジョン・エラリー社長が外に出ていたので機を逃さず記念撮影!

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すると、ジョンが「あそこで撮ろう!」とジムの壁に移動して一枚。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

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…というワケで、アッという間に2013年のNAMMショウも無事終了。

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マーシャルを片付けるのはお手のモノだが、今回はナタール・チームを手伝うことにした。実際に触れて商品を覚えたかったからだ。それに、どう考えてもマーシャルより腰にやさしいと踏んだワケだ。

ところがだ!確かにそれぞれのアイテムに重いものはないのだけれど、あれドラム・セットってのは分解するとものすごいパーツの数に膨れ上がるのね~。それが読めなかった!「あ~、やっぱりマーシャルやっときゃよかった…」と後悔しながらバスドラのヘッドをはずす…。でもとても勉強になりましたわ。

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空き箱でふざけるジェイソン。向こうの人はこういう時、絶対に焦らない。自分のペースでゆったりと仕事するんだよね~。こちとら江戸っ子でどうにもチンタラやってられねー!ってんで率先して何でも片付けちゃう。するとものすごく感謝される。こっちはせっかちなだけなんだけどね。

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昼間の喧騒がまったくウソのようなひっそりとしたメイン通り。

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オイオイ、もうよそのブースはすっかり作業が終わって帰っちゃってるじゃんかよー!

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…といつ終わるともしれない無間地獄と思われたが、ナントカ片付いた!

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はい終わり!疲れた~。これらのスタックは業者が来ていっぺんに引き取っていく。10時半だよ、10時半!昔、フランクフルトで12時近くまでかかったこともあった。それに比べればマシな方だわ。

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もう解体業者も数少なくなってヒッソリとした会場。この時間でも出口にセキュリティのおばさんがいて、持ち出すものをチェックしてる。我々はホテルに持って帰るためカホン他いくつかパーカッションを持参していた。するとそのおばさんがオレンジ色の書類を差出し、ナニを持って出るかを書き込めという。変なとこ厳重なんだよな~。

そうそう、そういえばトイレ。6時ぐらいになると1か所か2か所を残して全部閉鎖してしまう。「Closed」と書いたパイロンが置いてあるのだが、みなそれに気づかずおかまいなしに入ってきてしまう。すると、トイレの掃除のアジア系の人が怒る、怒る!「早くしろ~!」と怒鳴りまくっている。何しろ用を足してる後ろに立って「早く、早く!」と急き立てるんだから出るものもでなくなってしまう?!それでも大声で「Thank you!」と告げると「ハイよ~!」と案外やさしかった。

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今回久しぶりに参加したNAMMだったけど、10年ぐらい前に比べたらおっそろしく来場者が少ないように感じたナァ~。聞けば去年よりにぎわっていたらしい。でも、昔はこんなもんじゃなかったよね。日曜日ともなれば会場のメインの通りは元旦の浅草寺みたいで身動きが取れないぐらいの人出だった。今回は日曜日の午後なんかガラガラだったもんね。もしかしたら一般の入場者を厳しく排除したのかもしれない。

それと、来場するミュージシャンが減ったような気がする。自分が熱心に歩き回らないせいもあるんだろうけど…。見かけるミュージシャンはいつも来ている人ばかりなので、私の感覚がボケてしまったのだろう。

でも、個人的には古い友達にたくさんあって近況を報告し合い、マーシャルの連中とワイワイやって…楽しかったナ。

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翌日、日本へ帰るの日、南カリフォルニアらしい雲ひとつない青空だった。滞在中珍しくずいぶん雨が降ったもんね。しかし、この頃自分の飛行機はとっくの昔に出発しとったんじゃ!

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<おまけ>

NAMM会場を歩いていると、CDや商品のサンプル、小冊子などなど色んなモノがもらえっちゃったりする。でも、それもめっきり少なくなったような気がする。

色々と細かく見て回る時間がないせいもあろうけど、昔はもっといろんなモノを配っていたようなイメージがあるな~。これも景気が優れないせいか…。

で、今回自分からすすんでもらって来たのがこの雑誌。HAL LEONARDのブースだ。HALは全米で一、二を争う音楽出版社だ。ここの社長には昔から可愛がっていただいている。ご令嬢のローレンちゃんが「Trinity Irish Dancers」というアメリカでナンバー1のアイリッシュ・ダンス・チームのメンバーのひとりで、去年来日公演に招待していただいた。その様子はシゲ・ブログでレポートしているが、お父さんもこのシゲ・ブログの記事を大変よろこんでくださり、同僚に「見ろ!見ろ!」と迫ったとか…と、ブラッド・スミスというその迫られた同僚から聞いた。ブラッドはレッチリのチャド・スミスのお兄さんだ。

HAL LEONARDのブースでこれらの雑誌を眺めていたら、「好きなの持ってってください~」とショーンという社員が親切に声をかけてくれた。ので、この2冊をいただいた。「Guitarist」誌のアンプ特集と大好きなイギリスのCLASSIC ROCKの姉妹誌PROG ROCKだ。しかも、特集がジェネシスの『Foxtrot』!「Supper's Ready」のことが何やら詳しく書いてあるらしいのでショーンに丁重にお礼を言ってもらって来た。

帰ってきて、このPROG ROCKを外袋(英語でWalletという)から出してニンマリ…。表紙がカッコいい~!ピーターとキツネの頭の女性がフォックストロットを踊っているというアイデア。何かすごく得した気分になっちゃった!

何年か前に来日したスティーヴ・ハケットと少し話しをしたことがある。その時はレンタルのJCM800 時代の1959を2台使用していたが、本当は1987がお好みだとか…。次回は50Wで演りたいと言っていた。大人しくて、威厳がある感じのとても素敵な英国紳士だった。

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このシリーズ、これにておしまい

(一部敬称略 2013年1月25日ロサンゼルス、アナハイムNAMMショウにて撮影)